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※本章内容は今後充実させていきたいと思いますので、内容更新にご留意下さい。

初稿作成日: 2019814

更新日:    

2019年8月19日(書き換え:前書; 追加:中国経済・概要、企業部門(金融))

2019年8月20日(添削:中国経済・概要;追加:企業部門:非金融法人

2019年8月21日(追加:家計部門


<前書>


中国経済は誰でも多かれ少なかれ知っています。

何故この内容を独立させて詳しく紹介するかというと、

過去20年間の世界経済、そして今後中国経済動向が関連国にもたらすの影響があまりにも大きいため、中国経済運行の主なラジカルを把握しないと、今まで、そして今後はどのように関連国に影響するか理解できないからです。


ただ、中国経済は決して簡単に述べることはできません。本章はあくまでも一角度から分析してみたいと考えておりますし、言及しない内容は今後補足していきたいと思います。


<中国経済・概要>


「我々が歴史から学ぶことは、人間は決して歴史から学ばないということだ」という名言があります。中国人は後発開発途上国として、先進国が纏めていた経済法則を無視、この名言の実践者の一員となりました。


中国人現在世界中爆買い光景は、前世紀80年代日本人の世界中爆買い光景を思い出させてくれます。背景は似ています:与信ブームに伴う収入バブル、その裏は山積みの債務。

日本資産バブル崩壊後、大多数の民間企業も家計部門もバランスシート悪化の修復に動く、この現象をリチャード・クー(辜朝明)が「バランスシート不況」と呼び、バブル崩壊後日本国内経済数十年間低迷の真相の一つと思われています。


それでは中国の経済発展及び持続不可主因を簡単に見てみましょう。

※今後は更に内容を充実させます。


中国は経済高度発展遂げたのはWTO加盟してからです。ちなみにただ20年間です。


・中国経済の表は高度発展、裏は貨幣供給と信用融資が共に大拡張による(悪性)インフレ型債務経済モデルです


・経済要素資源のほとんどが低効率運行部門に占有されている、略奪型経済です。


・外需依存度高い:福祉保障制度が全く整備されていず、かつ過大評価通貨(人民元)&資産価格の二重主因により、過大な生産能力に比べ内需は非常に弱く、外需に頼らなければならないです。2008年以降外需が顕著減少後、過激な国内投資で需給の穴を補填してきました。


・内需不足:現行福祉保障(年金を含む)制度があくまでも人口増加・家計部門負担増加に基づいているため、人口構造の顕著な悪化(高齢化・少子化社会)が今後福祉保障制度実施可能性、そして社会安定に巨大な影響を与えると思われます。内需不足かつ本気で解決しようとしないため、過激な国内投資で需給の穴を補填するしかないです。


・高コスト低効率のにも関わらず、経済資源のほとんどを独占している政府、国有企業(金融・比金融)が社会全体運営コストを増加させ、中国の総合競争力を低下させていっています。


などが挙げられます。


<改革開放~2001WTO加盟の間の主な出来事>


中国は経済高度発展遂げたのはWTO加盟してからです。1979年改革開放開始してからWTO加盟まで長い20年間は、自力では経済発展を遂げることはできませんでした。

この意味では、アジアどの国も同じです。日本が比較幸いなことに、経済高度発展期は外需に依存しながらも内需拡大の土台である社会福祉保障制度も構築し、かつ金融経済ではなく実体経済に依存し製造業が強く(海外進出企業は依然に本部を国内に置き、開発・販売などスマイル・カーブ両端の労働機会を国内に置きながら、海外で稼いでいます)、中国に比較して経済構造は持続性が高いです。


それではまずWTO加盟までの主な出来事から感じてみましょう。


1979年:中国 鄧小平氏の改革開放政策の開始

1984年 中国 広東省、福建省の4地域を経済特区に指定

1988年 中国 憲法改正(私営経済の存在と発展を容認)

1989年: 中国・天安門事件、国際制裁を受け

1992年:中国・鄧小平の南巡講話

1994年:中国人民元の交換レートを統一、管理変動相場制

1994年:分税制(財政改革)

1996年:中国 第95カ年計画(目標2000年、計画経済から社会主義市場経済への転換を目指す)

1997年:香港返還

1998年:朱鎔基が国務院総理に就任後、国有企業改革・金融改革・政府機構改革に踏み切り

1998年:不動産改革:全面市場化

2001年:中国WTO加盟


WTO加盟後中国経済発展2段階


段階12001年~2007

外需、特に米国の需要バブル(※詳細は前章の「米中循環」をご参照)に牽引された国内インフラ・不動産建設、生産規模は前代未聞。

過剰な供給力に対応する需要が一旦継続できなくなると、上記循環は完全に終わり、需給再均衡に直面しなければならないです。これは2007年に起こったことです。


段階22008年~現在

リーマンショック後、中国は需給再均衡・構造改革の道に歩むのではなく、急減した外需の穴を補填できるよう、従来の輸出型+投資主導型経済から、投資主導型経済へ変わり、空前の経済刺激策を打出し、既に過剰な供給力に、更に空前の過剰を加えました。

下記は中国国内3つの経済主体(政府部門、企業(非金融・金融)部門、家計部門)別変遷の角度から、経済発展を振り返りましょう。


<政府>重要生産要素を支配・独占


市場と政府の役割分担


アダム・スミスは、人々が私利私欲を追求して消費や生産活動を行うことが、国全体にとって望ましいと主張し、政府による規制が市場を窒息させると指摘しました。


しかし市場は万能ではありません。政府が果たすべきな役割があります。


それは、市場に資源の配分をまかせ(企業が自由に市場に参入、競争することを許すことです)、政府が監督役を果たし、所得分配・再分配を行うための税制や生活保障制度、経済が円滑に循環できるよう、公平な場を作り出す役割です。


分税制が中国政府による経済活動への介入・干渉の重大な転換点


計画経済から社会主義市場経済への転換に伴い、改革開放初期段階では、中国政府が市場への介入を減らしていましたが、1994年から中央政府と地方政府の財政制度改革「分税制」の実施を機に、地方政府財政独立及び各政府間の”GDP競技”の展開に伴い、地方政府の行為には顕著な変化が生じました。


1、分税制実施目的


国家統治能力、中央政府の財政能力、マクロ経済調整能力、及び行政管理能力を強化するのが目的です。


2、分税制実施がもたらす影響


1)地方政府が自給できなくなした。


中央財政がこれで税収確保したものの、地方政府に行政責任だけが移り税収が極端に不足という構造的な問題を招きました。結果として、地方政府が負担する歳出比率が大きすぎ、財政自給率が大幅に低下しました(例、経済が最も発展、税収源が最も潤沢な浙江省が93年の財政自給率が130%強、新規分配制になってからは半減以下の約60%になりました)。

2)収支赤字を埋めるには、地方政府が土地売却、地方債及び融資プラットホームという財政構造に依存。


税収困窮に陥った地方政府に残される選択肢は二つです。中央政府からの移転支出を求める、予算外収入を生み出す、のいずれかです。


予算外収入は、中央政府が徴収管理を一層標準化してきたため、地方政府は財政確保のために土地売却(予算外収入源)という財政構造に依存し始めました(リーマンショック後は地方債及び融資プラットホーム乱発手段を加えました)。


中国政府による経済活動への介入・干渉及びその影響


地方税収総額、産出価値が地方政府官僚の業績評価主要基準です。


業績評価基準に満たし、かつ財政赤字を埋めるには、地方政府は経済活動に介入・干渉します。具体的には下記の行動を取っています。


1、土地価格を押し上げに全力を尽くしながら、国有企業に大量の資源を傾きます。

地方政府が土地国有名目で農民から農用地基準価格で土地獲得します。工業化・都市化過程で土地用途を農用地から工業建設用地に変更するだけで、数十倍、数百倍の売却益が獲得できます。


しかし、地方政府は土地を100%売却できないです。何故なら、業績評価基準に満たすという目標も同時に達成しなければならないからです。


資本密集型、エネルギー消耗激しい大型企業(国有企業がほとんど)は産出価値と税収への貢献がともに高いです。地方政府官僚は国有企業をを自分の管轄地域に引き付けためには、大量の資源(土地、税収、財政補助などの優遇策)を国有企業に傾きます。工業用地をコスト以下、時には無料で企業に譲渡しなければならないです(これらのいずれとも銀行にとって最も信頼性高い担保品及び政治担保であることを心に留めて欲しいです)。


工業用地は土地全体の85%を占めるため、地方政府は残りの15%の住宅用地から収益を生み出さなければならないです。従い、地方政府は全力を尽くして住宅用地価格を押し上げています。不動産価格取締りへのモチベーションは当然ながら、ないです。


2、資源価格の歪曲が世界への影響


中国では、各地方政府が経済活動に必要要素と資源をほぼ全てを独占しているため、理論上彼らは外部資金を引き付けたいと切望するなら、生産要素と資源の価格を世界最低レベルまで押し下げるのは簡単です。従い、世界はこのような不思議な光景を目にしました:一人当たり資源保有量が世界平均を遙かに下回る国は、資源価格が超安、更に超低い環境基準、超安い土地価格(時には無料で贈与)、超優遇税収、超低い労働基準。総合製造コストがこれほどやすい国はどこにもないため、外部投資資金が駆け込むのは言うまでもないです。


従い、2001年にWTOに加盟して以来、世界最安の製造総合コストで誇る巨大な経済実体世界に参入すると、世界中規模空前の資本、生産要素、産業チェーン移動を引き起こすのは言うまでもないことです。


欧米日先進国(特に米国)からの外需に駆動された、ゆがめられた価格体系の下、中国企業及び中国に生産拠点を置く企業の生産能力拡大は、極限に到達までには止まらなかったです。この規模の製造業拡張例は、それまでの人類の歴史にはなかったです。これは中国が経済高度成長を遂げた要因です。


<企業部門:金融> 固有問題:モラル・ハザード


直接金融と間接金融


内容に入る前にはまず直接金融と間接金融の意味を理解しましょう。

直接金融:資金を必要とする借り手は、社債・株式・公債を発行して、必要な資金を証券市場を通じ直接貸し手から調達することです。

間接金融:借り手が必要な資金を、銀行などの金融機関からの借り入れで調達することです。


中国では、間接金融が中心です。近年、直接金融規模も大きくなってきていますが、しかし、債券、信託、理財産品(高利回りの資産運用商品)のいずれとも債務不履行が極めて稀です。リスクが転嫁できない限り、これらの金融商品提供元である金融機関は、シャドーバンク、もしくは銀行の影に過ぎないです。


中国銀行の収益仕組み


中国銀行の主要収入源は、資金利益(Net Interest Income)です。


中国当局設定の預金、貸付金利、及び銀行収益体制により、銀行が無リスクでこの収益を手にしています(今でも続いています)。


この仕組みとは、預金金利上限を低く抑え、貸付金利下限がそれより上との設定です。


銀行の主な融資対象は国有企業・地方政府主導直接・間接部門です。


国有企業・地方政府主導プロジェクト、ちなみに銀行の資産のほとんどは低効率もしくは負のキャッシュフローですが、政府支援・支持部門のため、銀行にとって破綻の心配はないです(近年は破綻の個別例が出ていますが、稀です)


例:銀行貸付主な対象の一つ中国国家の鉄道、高速鉄道建設を担う元「鉄道局」、現在の「鉄道公司」

負債総額:20193月付け)5兆元

鉄道路線長:(2018年末付け)13.2km。うち高速鉄道路線長:3km (2008年の44.5倍、約23の世界割合を占め)

高速鉄道収益状況:北京⇔上海間路線が運行中高速鉄道路線の中唯一の正のキャッシュフローを生む路線


銀行不良債権処理:当局が買い取り


2008年までには下記の大型救助:


1990年代~2000年代初頭、中国の商業銀行はぢ空き簿な不良債権を処理しました。主な処理方法は、財政部が4つの国有資産管理会社(AMC)を設立し、人民銀行から再融資+特別国債発行で調達した資金を注入した後、4つの国有商業銀行から簿価で不良資産を買い取りました。


2004年と2005年には中国銀行、建設銀行、工商銀行向けに財務救助を実施しました。


2008年に同じ方法で農業銀行から不良債権を買い取りしました。


この通り、中国で銀行運営はほぼ無リスクです。この故、2013年某EMBAサミットで、ある国務院官僚は、犬でも銀行運営できる、と激しく批判しました。


銀行の融資条件(国有・政府系企業、大型民営企業以外の企業は、銀行から融資調達は非常に難しい)


中国の銀行の貸付の90%が担保付き貸出で、基本的にはまだ質屋時代の状態のままです。銀行にとって、土地などの固定資産は最も信頼性のある担保品です。


更に、法的環境及び信用規則の深刻な欠如、及び当局が銀行に対する厳格資本監督約束により、中小企業が銀行からの資金調達は実質に難しいし、改善の余地もないです。


また、他の国有銀行からの競争圧力を受け、融資を提供すると地方政府から多くの優遇政策を受けられる、更に政府系企業、政府支援の国有企業向け融資の場合、借り手破綻の心配がない、といった理由から、銀行は最終的に地方政府、地方政府支援の企業に協力しなければならないです。


言い買えば、経済要素を統制している地方政府が、実際に銀行の信用貸出権も握っています。


<企業部門:非金融法人>


2007年までの経済高速発展段階:企業全般が高い収益率を得ていました


2007年までに、強い外需+国内インフラ建設に駆動され、中国国内企業は多かれ少なかれ高度経済発展及び中国国内生産要素の低さから恩恵を受け、高い収益を獲得していました。高い収益の要因の中、超安い労働コスト、超安い要素価格が決定的な要因と思われます。


超安い労働コスト

労働力供給がほぼ無限大の中国では、労働生産性が労働コストを遙かに上回る状況は「ルイスの転換点※」になるまでには変わらないです。

※ルイスの転換点:農業の余剰労働者は、高い賃金を求めて工業へ移り、ある地点まで行くと農業部門余剰労働力がなくなった段階のこと。


超安い要素価格

前述の通り、政府が経済活動に必要要素と資源をほぼ独占しているため、理論上彼らがもし外部資金を引き付きたいと切望するなら、あらゆる要素価格を世界最低レベルまで歪曲させる(超安いエネルギー、資源化価格、超低い環境基準、超安い土地価格、超優遇体制、超低い労働基準)ことは簡単です。


ミクロ面では、歪曲した、超安い要素価格に超安い労働コストを加え、どの業務も直ちに息をのむような高い収益を出せますが、マクロ経済全体にとっては非常に不経済です。


政府官僚が権力を生かし、利益得る程度に合わせて、開放改革初期段階に流行していた二重価格・多重価格制手段を使い、支援対象企業、もしくは受益高い企業向けに生産要素を譲渡しました。


企業収益急騰の裏には、マクロ経済発展や企業経営改善などの要因もありますが、政府からの驚くべきな優遇が「過剰収益」を生み出す最も基本的な要因です。大量な富がごく一部の人に略奪されていたことも、内需低迷の要因にも繋がりました。


中国の国有企業


非金融法人の中で一般的に酷評を受けているのは、国有独占企業です。主に酷評を受けている点:


1、国有資本、資源を事実上無償使用が過剰収益を生み出す要因のにも関わらず、国家・政府向け資本報酬支払う必要なし。


ある学者が不完全統計に基づき国営企業の運営コストを下記の通り計算しました(データ出所:中国社会科学院)


1)投資資本を独占


・国有投資資本の6割以上を占め:前世紀末以来、中国政府は1兆元超の国債を発行しました。14の投資率に基づき、5兆元の投資総額のうち、34兆元(6割以上)が国有企業に流入しました。


・海外から調達した資本のほとんどは国有企業に:海外から調達資本総額8000億元のうちの60007000億元


2)利息軽減策


・非金融類国有企業(社債から)株式交換規模4050億元、不良債権抹消規模3020億元 ⇒ 合わせて毎年約500億元の利息支出が軽減。


・合計7回の利下げで国有企業利息支出軽減額が約2500億元。


3)その他の優遇

・石油価格連年上昇に伴い、国有三大石油会社が1000億元増益

・自然資源の無料使用:三大電信会社、三大石油会社が国家の自然資源を無料で使用

・その他地方政府からの優遇策


一連の優遇に基づき、国有企業の利益率が息をのむほど高いのは言うまでもないことです(国有企業の利益推移グラフを作成後公表します)


2、国有企業進出業界で市場を事実上独占。


3、経済への貢献度低い:社会資源を独占しているのにも関わらず、30%未満の就労機会しか提供していないです。


4、運営自体が低効率そのもので、社会運営コストを増やしています。


<ここまで一旦要約>


爆利の地方政府、国有銀行、国有企業、及び後述の不動産の掠奪で、国民の富の分配における一般国民が占める割合減少していくだけではなく、既存の富も掠奪されています。これが内需(※後述)低迷の要因でもあります。



<家計部門>


経済活動で作り出した富は、政府、企業、家計部門間で分配されます。


政府及び企業に余剰資金があればあるほど投資に回し最終的に供給増に繋がります。


家計部門が最終消費者です。消費需要には外需と内需に分かれます。どの国も外需にばかり依存するわけにはいかないです。一旦外需が崩れれば、需給再均衡を余儀なくされます。企業大量倒産、失業増加、需要減衰、企業収益悪化に伴って更に人員や賃金削減、という連鎖的な悪循環に陥ります。


しかし中国は長い間、生産した商品が国内で消化できため、海外へ輸出販売するしかないです。そのため国内で企業向けに生産の際も海外へ輸出販売の際も補助金を支給しています。これが正に現在米中貿易摩擦の要因の一つとなっています。


何故内需が低迷か、根本的な原因は、多くの国民は消費に回せるお金がないからです。主な原因は:


1、所得分配


2007年まで中国の工業化は重化工業、資本密集型志向です。その故、所得分配は必然的に政府と資本に傾き、労働報酬と国民貯蓄が占める比率が収縮方向です。


19972007年の間、中国労働者報酬がGDPに占める割合が53.4%39.7%に減少;資本収入割合が続伸し企業営業収益がGDPに占める割合が21.2%31.3%に上昇;政府予算内財政収入がGDPに占める割合が11%⇒20.6%に上昇、もし予算外収入である土地売却収入、中央・地方国有企業の利益分配を計算に加えればその比率が30%になります。


中国の貯蓄率構造もこれを反映しています。


19992007年の間、中国の総貯蓄率が14.4%急増しました。増加内訳はこれです:家計部門が2.7%を貢献(1999年の20.2%⇒2007年の22.9%に)、政府が5.4%を貢献(1999年の2.7%⇒2007年の8.7%に)、企業が6.3%を貢献(1999年の13.7%⇒2007年の20%に)。政府と企業部門の貯蓄率が続伸する一方、家計部門の貯蓄が全体に占める割合が減少しました。


政府と企業が経済活動からの取り分がますます大きくなっていますが、それを投資に回すほかないです。これが更なる供給力に繋がります(高い貯蓄⇒高い投資⇒更なる供給力)。この巨大な供給力は国内の購買力で消化できないため、海外へ売り出すしかないです。ある日が外需が本当に崩れると、この循環も完全に破滅してしまいます。


2、所得再分配


所得再分配とは、所得を公平に配分するため、租税制度や社会保障制度、公共事業などを通じて一経済主体から別の経済主体へ所得を移転させることです。

中国では真の意味での社会保障体制、医療保険、失業保険がないため、国民が消費意欲を抑えています。これが消費低迷要因の一つです。


3、不動産投資による押し出し効果(crowding-out effect


長い間、不動産価格伸びが国民労働収入を遙かに上回っています。国民が貯蓄を不動産(投資的・投機的な)購入に使うことが消費に抑制的な影響を与えます。これは「押し出し効果(crowding-out effect)」と呼ばれます。


4、速すぎた投資伸び


実際、経済高度成長期に中国の消費需要も着実に伸びています。しかしながらこの平穏な伸びに比べ、投資が猛スピードで伸びています。ちなみに、消費率低迷の最も重要な要因は、消費伸びが投資拡張を遙かに下回っていることです。


<まとめ>


中国政府のGDP至上業績評価制度の下、政府が投資・GDP拡大に全力尽くし、要素及び報酬分配が家計部門ではなく、政府及び企業に傾くよう諸制度を設計するのは必然で、民生・国民福祉厚生にへ投入モチベーションは当然ないです。


手に入れた収益、貯蓄を抱えている政府及び企業は消費傾向が低いため、限界消費性向がますます減っていき、一方、貯蓄を更なる投資に使い、供給拡大に繋がっています。


家計部門の購買力が耐えずに増えている供給を消化できないため、ますます外需に依存しています。


これは現在の中国が抱える問題(消費不足、供給過剰、国内流動性氾濫、資産バブル、悪性インフレなど)が多い最も大きい要因となっています。


この国内経済構造不均衡は、2007年、2008年外需が突然崩れるまで続いていましたが、主要需要源が崩壊、かつ当分の間回復せず、需給再均衡に直面しました。


しかし中国は構造改革による経済再均衡の道に歩むのではなく、急減した外需の穴を補填できるよう、従来の輸出型+投資主導型経済から、投資主導型経済へ変わり、空前の経済刺激策を打出し、既に過剰な供給力に、更に空前の過剰を作りました。


ただこの経済モデルは現在既に限界に至っています。今後中国経済は果たしてどの方向へ向かっているか現在注目されています。


# by sari2019 | 2019-08-15 23:21 | Comments(1)

米中循環は、ドル循環の米中版です。これはつまりリーマンショックの元です。


本章の要点は2点です。

1、実体経済より遙かに大きい金融経済が経済全体へもたらす破滅的な影響。

2、中国経済構造が世界経済へもたらす破滅的な影響。


<実体経済より遙かに超える金融経済が経済全体へもたらす破滅的な影響>


経済には実体経済と金融経済があります。

実体経済とは、生産者と消費者が「モノ・サービス」と「お金」を交換する活動で、金額規模の大きさがGDPで表されます。

金融経済とは、借り手と貸し手が「お金」を交換する活動で。前者は消費を伴うが後者は伴わないです。


本来、実体経済が金融経済を養っているため、金融経済は実体経済をスムーズにまわす、サポート役であるはずです。ただ、下記のいずれのシナリオでは、金融経済が実体経済規模を遙かに上回ります。利益追求は資本の本性だからです。


1)もし実体経済は既に利益を生み出せなくなったり、もしくは金融資産が生み出す収益が実体経済運営による収益率を上回ったりする場合、資金が金融資産に流れます。


2)もし政策金利が極めて低いレベル、例えばゼロ金利に押さえつけられ、かつ実体経済にも良い投資機会を欠けている場合は、政策金利をただで獲得できる機関、ゼロコストで政府から調達した資金を、金利が付く低リスク資産(例:金利が付く預金準備率、国債)に投資し、資金がこういった金融資産に流れます。

※金融商品価格を決める国際基準:10年米国債利回り


リーマンショック直前と直近の実体経済と金融経済規模を見れば、金融経済の規模がいかに大きいか分かります。


(単位:兆ドル)

                         2006年        2017年/2018

世界GDP規模                47           85 (2018年)

世界の株式&債券市場時価総額    119          180 (2017年)

デリバティブ価値                473          54220186月)

実体経済のサポート役のはずの金融経済が、自分自身の規模が既に大きくなりすぎて、逆に実体経済を左右し、世界経済に不安定を与えてしまいます。


<中国経済構造が世界経済へもたらす破滅的な影響:米中循環>


背景:2001年の米中


1980年代後半以降、米国は製造産業を海外への移転と同時に国内で産業革新(新技術革命及び新経済を代表する情報技術産業)に成功。現在の世界産業構造を構築しただけではなく、米国は1990年代に戦後以来最長の経済成長を遂げました。しかし、1990年代末、技術やイノベーション停滞に陥りました。経済健康発展にとって不可欠の駆動力がなくなると、資金が金融経済に追っかけ始めました。その結果、アジア金融危機、インターネットバブル崩壊を招いてしまいました。


2001年2つ主な出来事が、米国と世界の歴史の中でも多大な影響を与えるもので、その後の住宅ローン危機と米国の債務危機に繋がったと言っても過言ではないです。それは、

1)同時多発テロ勃発、

2)中国のWTO加盟

です。


2001年、米国はインターネットバブル崩壊の陰からまだ脱出しなかったのに、9 11 日に同時多発テロが勃発しました。テロを機に、WTO加盟が承認されたとはいえ、対中懸案事項がまだ多いためスタンスが極めて強硬だったブッシュ政権が、テロ対策で対中協調路線を採るようになりました。同じ年の1110に、中国が正式にWTOに加盟しました。


米中循環


テロの後、景気刺激策として、米FRB議長Alan Greenspan氏が低金利の金融政策の採択を決定しました

アメリカン人が低金利で借金でき、消費

中国人・中国国内経済部門が貯蓄、投資、そして巨額な外貨準備(裏づけは外国為替資金残高(外貨買い入れポジション)で、主要構成は、外資系企業の投資資本、国・企業の外貨調達資金です)を形成

中国人が外貨準備で米国国債を購入、資金が米国に逆流

この逆流した資金が米国の不動産と株式価格を押し上げる

資産価格上昇でアメリカ家庭社会財産が膨らむ

アメリカ人が膨らんだ財産を担保にして借金して消費に使い、それが中国製造企業の新規受注、そして中国の貯蓄になります

人類歴史には、これほど高度依頼し合う二つの経済実体はなかったです。この単体国としては不均衡な経済構造は、段階的な極限に至るまでにはには恐ろしい規模までに至りました。


<まとめ>


何故2008年のリーマンショック(住宅ローン危機と米国の債務危機)規模がそれまでの人類の歴史にとって前代未聞のか、下記の3点を見れば理解できると思います。


1、アメリカ人の富(不動産、金融資産)のバブル規模の空前さが生み出した消費需要バブル規模の空前さ。


1)不動産バブル:価格(不動産価格)&数量(居住需要を遙かに超えた不動産建設規模)


2)金融資産バブル:前述の金融経済規模

※当時は中国は人民元両替が不自由(今でも相変わらず自由交換通貨ではないですが)、また中国の金融機関が統合したばかりで大規模な対外投資開始しなかったし、更に中国人が金融商品革新(例:COOなどのデリバティブ商品)にまだ手をつけなかったことが当時の世界にとって幸いなことです。さもなければギャンブル性が高い中国一般人が自由に金融投資ゲームに加えれば、金融バブル規模が更に大きかったに違いないです。しかし不幸なことに、中国一般人がとうとうこの道に歩み、2016年以降は各種前代未聞の金融商品革新に陥りました(後述)。


2、中国が海外需要バブル(アメリカ人の需要バブル)に駆動され、中国国内の需要バブル(かつてない投資・インフラ建設規模)が前代未聞※

※リーマンショック後中国国内のインフラ建設規模がその前の規模を遙かに超えました。


3、石油、原料、半製品輸出を提供する新興国、及びハイエンド部品を提供する先進国(日本、欧州)が国内、海外で前2者の需要バブルに合わせて生産拡大。


この3者間でゲーム・オーバー(バブル崩壊)までには連鎖的な循環していました。


# by sari2019 | 2019-08-13 18:34 | Comments(0)

<国際通貨体制変遷>


まずは19世紀以来の国際通貨体制変遷を振り返ってみましょう。


19世紀:金本位制

金本位制とは、貨幣を金と同じ価値にすることです。一国の貨幣価値(交換価値)を金に裏付けられた形で金額を表すものであり、商品の価格も金の価値を標準として表示されます。


1930年代:管理通貨制度

通貨増発による景気対策、為替相場は各国政府が任意に決定。


19447月~19718月:ブレトンウッズ体制Bretton Woods System (金・ドル本位制)

金・ドル本位制とは、米ドルを世界の基軸通貨として、各国通貨の価値を決定する国際的な通貨体制のこと。

1944年のブレトン・ウッズ会議で、これまでの金だけを国際通貨とする金本位制ではなく、金との交換が保証された米ドルを基軸とする制度を作り、金と米ドルとの交換比率を1オンス=35ドルと決め、 米ドルと各国通貨の交換レートを固定する固定為替相場によるドル本位制が始まりました。


1976年~:「変動相場制」、「固定相場制」

19718月に、米国のニクソン大統領がドルと金との交換を停止を宣言(ニクソン‐ショック(Nixon shock))したことから、、1944年以降実施してきたブレトン・ウッズ体制が崩壊しました。その後、主要通貨が「変動相場制」へ移行しました。

1976年1月、変動相場制の合法性がジャマイカのキングストンで開催されたIMF暫定委員会で承認されました。これをキングストン体制と呼ばれます(国によっては、ジャマイカ体制とも呼ばれています)。

以降、加盟国は、変動相場制と固定相場制のいずれを選択できるようになりました。

※主要通貨のほとんどが変動相場制を採用しています。


ご通り、国際通貨体制が過去100年間は既に数回変わっています。


アメリカ人のお金使いすぎは世界中誰でも分かることです。アメリカ人のドル使いすぎがブレトンウッズ体制崩壊原因です。当時ドルの信用は失われましたが、ほかに世界のお金として使える通貨がなかったので、その後もドルは世界基軸通貨として使われます。


使いすぎの米国経済が単体としてどう見ても不均衡ですが、それでも世界経済が長年運行してきました。米国と相補的な関係ある国が存在しているからです。


過去50年間運行してきた「商品・ドル循環」、「石油・ドル循環」、「中米循環」は、新興国、資源国が米国と相補的な関係の下の双方向協働結果です。片方を欠けては運行できなかったはずです。


この単体としては不均衡でも世界全体から見て均衡状態の下支えは、アメリカ人が主導した世界的産業構造と基軸通貨でる米ドルです。


<米国主導の世界産業再編で世界経済が両極端に分かれました>


※数十年前の出来事の因果関係の整理は困難です。後日再三確認の上、下記内容編集の可能性がありますので、ご注意下さい。


米国はケインズ政策を採用「大きな政府」、及び福祉社会建設により、前世紀80年代から社会運行コストが非常に高くなり、また過度の個人主義、過度の金融革命の刺激を受けて過度消費、更に過度の規約により、企業が逃げ出すよう生産拠点を海外へ移転しました。


一方では生産拠点の海外移転、他方では米国は国内で新産業革命を引き起こしました。1980年代後半以降、米国教育研究機関、企業、政府の協働、巨額投資し、新技術革命及び新経済を代表する情報技術産業が急速に発展した結果、米国が産業移転と産業革新に成功し、先導役として現在の世界産業構造を構築しました。新しい経済形態と産業構造にによって、米国は1990年代に戦後以来最長の経済成長を遂げただけではなく、経済耐衝撃性と危機応対力も著しく改善しました。その結果、1998年から、世界経済はかつてない両極端に明確に分かれました。


米国はハイテク産業、軍事工業、ソフトウェア、メディア、飛行機などの世界トップクラスのハイテック産業製品のほとんどは高収益、高付加価値の専売価格商品です。国際資源価格が継続的に上昇しても、米国は低い物価水準を維持しました。原油、原料高がただ収益一部を圧縮しただけで、基本的に企業内部で消化可能です。70、80年代の原価上昇による物価高はもはや米国から姿を消したようです。


一方、世界生産役担当の新興市場国は、かつて米国が味わった苦痛に耐えなければなりません。

原油価格高は米国にとって単なるライフスタイルへの影響に過ぎないに対して、新興市場国にとっては、原油価格高騰→企業生産コスト上昇→収益を圧迫→失業率が上昇→国民収入減少→経済衰退、社会不安に陥り、まさに生死に関わる重大問題です。


<基軸通貨としての米ドル>


20年間に渡る世界産業再編を経て、米国は生産型社会から消費型社会へと急速に変わり、負債運営が広範囲の現象になりました。政府が公債、企業が社債を発行、国民が分割払いで消費するなど、アメリカ人が事実上世界最終消費者となりました。


米国経済の特質は、世界基軸通貨である米ドルを使い世界余剰資金運用、無制限かつ制約なしの負債運営です。


基軸通貨とは下記条件を兼ね備えた国際通貨です。


(1)国際間の貿易・資本取引に広く使用される決済通貨であること、

(2)各国通貨の価値基準となる基準通貨であること、

(3)通貨当局が対外準備資産として保有する準備通貨であること。


2次世界大戦後米ドルが基軸通貨となり、現在に至っています。


<ドル保有重要性>


1、世界貿易の増加に伴い、貿易取引に相応する米ドル供給も客観的に求められています。


2、各国が対米ドル為替レート介入用に、米ドルを保有しなければならないです。


米国が最終消費国に対して、その他の国は米国向け輸出に依存し、アメリカ人消費者に対して自国商品競争力を維持しなければならないです。価格競争力は自国対米ドル為替レートで反映されます。


世界の為替制度は大きく2つに分かれています:「固定相場制」(例:香港ドル)と「変動相場制」(例:日本円)。


固定相場制実施国は当然ながら、自国通貨対米ドル為替レートを決まった範囲内に固定しています。


変動相場制実施国の場合でも、実際、自国通貨対米ドル為替レートが毎日ジェットコースターのような乱高下に耐えられる国はどこにもないため、変動相場制実施国は、自国の外貨準備を使い、自国通貨レートに介入し、対ドル為替レートを一定範囲内に維持しています。


このよう、変動相場制と固定相場制のいずれの実施国でも、自国通貨対米ドル為替レートを一定範囲内に維持するのはまるで暗黙ルールです。主要通貨レートが一定範囲から乖離する際為替介入しなければ、金融市場が激しく変動します。


結果として、貿易決済用と為替レート介入用に、各国は自由交換可能通貨を保有、対米貿易が巨額な国の場合は、巨額な米ドルを保有しなければならないです。


※各国中央銀行が保有する外貨は外貨準備と呼ばれています。


外貨準備保有上位国のほとんどは、対米貿易が巨額で外貨準備の主要構成通貨も米ドルです。これらの国は、巨額の外貨準備を米国の公債、企業債、株式もしくは不動産購入に使っています。


<ドル循環・流れ>


ドル循環の流れは下記の通りです。


米国:高消費、低貯蓄 ⇔ 特に東アジア国(中国、日本がメイン):高貯蓄、低消費


アメリカ人が消費→貿易赤字

東アジアなどの国が製品をアメリカ人に販売→貿易黒字→巨額な外貨準備を形成(主要構成:米ドル)→相当の一部を利回りが比較に低い米国公債を購入(公債購入した時点、米ドルが米国へ逆流)

米国が自国へ戻ってきた米ドルの一部を消費に使い、一部は高収益率の研究・開発・製品企画・販売・アフターサービス(スマイルカーブの両端)に投資し、それ以外の資金を高い収益率求めて投資資本の形で東アジア諸国に戻ります。


<まとめ>


上記債務者と債権者の関係に心当たりありませんか。

そうです。詐欺の一種のポンジ・スキーム(Ponzi scheme)に似ています。

※ポンジ・スキーム(Ponzi scheme):元本を配当(利益)として配り、更に元本を集めて配当する、後から参加させる別の出資者から新たに集めたお金を(運用せず)以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことです。


最終解決策はただ一つです:単体経済を均衡させることです。つまり、アメリカ人が使いすぎず、収支を均衡化させることです。その他の国は輸出に頼らず、自国生産・内需均衡化させることです。どの国も、自国経済を均衡化させるために構造改革による債務を解消が必要です。ただ残念ながら、リーマンショックから既に10年経ちましたが、真剣に構造改革する国は全くないです。これからは世界はどこへ向かっていくを見てみる前に、まずは中国経済、中米循環が世界にどのような破滅的な影響を与えたかを振り返りましょう。


# by sari2019 | 2019-08-12 16:33 | Comments(0)

<過剰生産要因>


1次産業革命までに人類は長い間生産力が極めて低く産出が非常に不安定で、更に自然災害や人工災害予防策を欠けたため、産出量不足、飢餓の記録が圧倒的に多いです。


産業革命以降、状況が一変し、産出量不足→有効需要不足による生産過剰に転じました。


なぜ生産過剰になるか、供給側と需要側両方で比較的に一目瞭然です。


1、供給側:供給過剰

1)技術と労働生産率改善による供給増加

2)過剰生産能力。生産費用上昇及び環境問題に伴い、企業が未開発地域へ生産を移転することで、新規生産基地が次々と形成。結果として、過剰な生産能力が過剰供給をもたらします。


2、需要側:有効需要不足

1)多数を占める人は所得伸びが生産率に下回るため、有効需要(支出の裏づけのある需要)が不足しています。

2)主要消費国の人口構造悪化による需要減少

3)使いすぎによる山積した債務を返済するために、経費を削減。あなたの支出は他人の収入になるため、収入が減少すると更に支出を削減、という悪循環が働き、社会全体需要減少をもたらし。

*例:1980年代の日本資産バブル(使いすぎによる債務の山積み、そしてその後債務・不良債権解消のため数十年も続いた消費(経済)低迷。


上記の要素の中、生産移転が主要諸国へもたらす影響が非常に大きいため、ここで展開したいと思います。

(別の要素は、今後は別テーマとして展開したいと思います)


<世界規模の生産移転が主要諸国の経済への影響>


イギリスの産業革命以来、生産拠点の大規模な生産移転は4回ありました(5回目は現在進行中)。

生産移転要因は変わらずこれです:現地生産費用の上昇または環境汚染限界に至った時、企業は生産を他の未/低開発地域に移転。


生産移転に伴い、移転国とと生産受け皿国によって影響も異なります。


生産移転国は、生産を他国への移転に伴い、現地生産余儀なく縮小、従来の国内雇用機会流出に追い込まれます。構造改革などによ新規雇用機会創出できなければ、失業増加、需要減衰、企業収益悪化に伴って更に人員や賃金削減、という連鎖的な悪循環に陥ります。


一方、価格競争力により生産拠点移転を受ける国は、企業が自国で新規生産インフラを構築、新規雇用機会獲得、企業収益拡大に伴い増員、賃金増加という好循環になり、国内経済は高度成長を迎えます。


5回の世界規模生産移転>


それでは、5回(5回目は現在進行中)の大規模な生産移転歴史を振り返り、それぞれの生産移転国及び生産受け国に与えた影響を感じてみましょう。


               時間                移転国        生産受け国

第一次生産移転   18世紀末~19世紀前半     英国         米国、フランス、ドイツ

第二次生産移転   1950年代~60年代        米国         ドイツ、日本

第三次生産移転   1970年代~80年代        日本、米国     アジア4匹の竜、一部のラテンアメリカ国

第四次生産移転   1990年代~             世界         中国

第五次生産移転   現在進行中             中国          ベトナムなどの東南アジア諸国、インド、など


<終わりに>


一国経済が現在どの経済発展段階にあるか、将来はどの方向へ向かっていくかを判断するには、過去百年間の大規模な生産移転及び事の次第による条件変化が各関連国にもたらした経済変化が、非常に重要な参考・啓示を提供しています。



# by sari2019 | 2019-07-30 18:43 | Comments(0)

1760年代~183040年代:第1次工業革命(蒸気の時代)


1775年~1783年:アメリカ独立革命


18世紀末~19世紀上半:第1次世界規模生産移転(英国→米国、フランス、ドイツ)


1861年~1867年:アメリカ南北戦争


1890年代:第二次工業革命(電気の時代)


1914年~1918年:第1次世界大戦(戦場:欧州及び植民地)


1929年~1933年:大恐慌


1939年~1945年:第2次世界大戦


19447月:ブレトンウッズ会議

連合軍側の44カ国の代表による、第二次大戦後の国際通貨および金融秩序を定めた会議


1948年~1952年:マーシャル・プラン

第二次世界大戦で被災した欧州諸国のために、アメリカ合衆国が推進した復興援助計画


1950年代~60年代:第2次世界規模生産移転(米国→ドイツ、日本)


19609月:石油輸出国機構(OPEC)設立


1971年:ニクソン・ショック

米大統領のニクソンが、1971年の中国訪問予告と翌年の米中共同宣言、1971年の金・ドル交換の停止


1973年~1976年:第1次石油危機(オイルショック)


1976年1月:相場変動性の合法性、及び固定相場制との並存が承認され

変動相場制は1976年1月ジャマイカのキングストンで開催されたIMF暫定委員会で承認された。これをキングストン体制という。

以降、加盟国は、変動相場制と固定相場制のいずれを選択できるようになった。


1978年年末~半年間:第2次石油危機(オイルショック)


1979年:中国 鄧小平氏の改革開放政策の開始


19798月~1982年前半:ボルカー・ショック

当時のFRB議長を務めるボルカー氏が「新金融調節方式」、いわゆるボルカー・ショックと呼ばれる金融引き締め政策を断行


1980年代 :レーガ革命(レーガノミックス)、スターウォーズ計画

レーガノミックス:ロナルド・レーガンが大統領に就任後、経済刺激で景気回復を狙い、それまでの需要中心ではなく、供給力強化を目的としたサプライサイド経済学に基づくレーガノミックスと呼ばれる経済政策を発表。具体的には軍事支出の拡大のほか、社会福祉政策の大幅カットと、大規模な減税による経済刺激を掲げた政策であった。

スターウォーズ計画:軍備増強を続けた結果、ソ連の軍事力は1980年代初頭までにアメリカのそれを凌駕するまでに巨大化していた。レーガン政権は、ソ連を「悪の帝国」と名指しで非難。一連の外交戦略でソ連と真っ向から対抗する道を選んだ。その概要の一つは、国防予算を大幅に増額してスターウォーズ計画を一方的に推進。

軍事費拡大及び減税の結果、財政赤字が拡大。


1980年代~1990年代:アメリカが世界産業構造調整


1984年 中国 広東省、福建省の4地域を経済特区に指定


1985年:プラザ合意、~1989日本第1次対中投資ブーム


1988年 中国 憲法改正(私営経済の存在と発展を容認)


1989年: 中国・天安門事件、国際制裁を受け


1990年:第3次石油危機(オイルショック)


1990年代:第4次世界規模生産移転(世界製造業→中国)


199112月:ソ連崩壊


1992年:中国・鄧小平の南巡講話


1994年:中国人民元の交換レートを統一、管理変動相場制


1996年:中国 第95カ年計画(目標2000年、計画経済から社会主義市場経済への転換を目指す)


1997年:香港返還


1997年:アジア通貨危機


2001年:中国WTO加盟


# by sari2019 | 2019-07-30 12:20 | Comments(0)

※更新日:2019年8月6日


約百年前の第一次工業革命以来の経済史を振り返れば、2つのパターンが明らかです。それは、生産過剰と債務危機です。


新しい生産基地が次々と開発され、そして技術発展に伴い、供給はまるで無限大です。


しかしながら、貧富格差の拡大に伴い、有効需要(支出の裏づけのある需要)が不足しています。これこそ生産過剰及び債務積み重ねの主因です。


過去約百年間を振り返すと、生産過剰と債務解消・緩和における主要解決策は下記の3つです。


1、再バランス

1)世界大戦で過剰な生産能力を破壊


2)節約して財政支出を圧縮、生産と需要を強制的に再バランス。1930年代の大恐慌は正にこのパターンに該当します。

  *ただ残念ながらこの措置を10年続いて実施しても解決にならず、最終的には1)の第二次世界大戦で解決となりました。


2、人口増加。第二次世界大戦以来の人口急増はこれに該当

  *有限な地球資源に伴う”人口増加限界説”が制約要素と言われています。


3、新たな富創造スキームを見出し、創業活動を駆動させ、生産率加速させることで新しい富で旧債務を埋め尽くし。

1)第二次世界大戦後軍事技術が民用への転換に駆動される経済成長

2)197080年代~1990年代末、30年間渡り、米国が主導した世界産業再編(ハイエンド技術、新経済を代表するIT産業革命)に伴う経済成長


しかし、残念ながら、2000年代以降、人類は本格的な構造改革による再バランスもせず、新たな富創造策も見出せず、更に有効人口構造が悪化しているため、悪性インフレか、より大きいバブルで旧バブルをすっかり覆うことでごまかしてきて、現在まで至りました。


この先どのことが起こるか、政府がどの措置を取るか、それらの措置で経済、資産価格ははどう変化していくかを見出すの主要目的です。


歴史は同じように繰り返さず、事の次第によって状況が変化しても、経済発展は一定の経済法則から乖離していないです。現代経済発展史が相変わらず現在になっても我々に重要な啓示を与えています。


この先はまず経済史を回顧してみてから現状分析、そして先を見通したいと思います。


# by sari2019 | 2019-07-26 17:31 | Comments(0)

様々な経済活動から、先行きの景気がどうなるかを判断するには、それぞれの経済活動が経済全体の中での位置づけを理解することがとても重要である。

そのため、まずは経済の仕組みをなるべくよく理解しましょう。

「4つの経済主体」が、「3つの経済活動」を行うことで、経済が成り立っています。


<4つの経済主体>

・個々人が生計を営む「家計部門」

・資本と労働によって物やサービスを生産・供給する「企業部門」

・公共的な物やサービスを提供する[政府部門]

・国外の経済主体「海外部門」


<3つの経済活動>

・「支出」(需要)

・「生産」(供給)

・「収入」(所得)


4つのの経済主体は、3つの活動を通じて互いに関係し合い、貨幣と財・サービスとを交換します:

①我々の支出が他人の収入になり、

②他人が収入の一部・全部・(足りない場合は借り入れ)を支出(消費)に、

③収入と支出余剰部分が貯金し貯蓄になり、

④その貯蓄は他人が借り入れて消費、投資(生産投資、金融投資、など)に使います。

この循環で経済が成り立っています。


支出という形で最初に需要が動きます。

需要が増えれば景気が良くなり、減れば景気は悪くなります。

この需要は4つの経済主体のどれによる需要かを把握するのは非常に重要です。

家計部門が最終消費者です。もし家計部門の収入が経済に占める割合が低下していけば、最終的には需要と供給がバランス取れなくなります(生産過剰)。


約1世紀前の第1次工業革命以来は、主要諸国の経済活動による生産過剰、債務危機が永遠のように繰り返しきました。戦後世界がかつてない人口急増し、ある資料によると、増量人口数が人類二百万年の間の総人口数を超えています(データ用再確認)。急増した人口が恐らく債務を次世代に移転できてきた主因です。ただ、戦後消費を牽引してきた主要先進国は、米国を除き、いずれとも老齢少子化社会に入りました。リーマンショック後の一国の債務を引き換えに消費を牽引してきた中国も、老齢少子化現象が深化しています。今後は、この累積してきた巨額な債務は果たしてどの形で消化されていくのでしょうか。


# by sari2019 | 2019-07-24 00:53 | Comments(0)