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米中循環:リーマンショックの元

米中循環は、ドル循環の米中版です。これはつまりリーマンショックの元です。


本章の要点は2点です。

1、実体経済より遙かに大きい金融経済が経済全体へもたらす破滅的な影響。

2、中国経済構造が世界経済へもたらす破滅的な影響。


<実体経済より遙かに超える金融経済が経済全体へもたらす破滅的な影響>


経済には実体経済と金融経済があります。

実体経済とは、生産者と消費者が「モノ・サービス」と「お金」を交換する活動で、金額規模の大きさがGDPで表されます。

金融経済とは、借り手と貸し手が「お金」を交換する活動で。前者は消費を伴うが後者は伴わないです。


本来、実体経済が金融経済を養っているため、金融経済は実体経済をスムーズにまわす、サポート役であるはずです。ただ、下記のいずれのシナリオでは、金融経済が実体経済規模を遙かに上回ります。利益追求は資本の本性だからです。


1)もし実体経済は既に利益を生み出せなくなったり、もしくは金融資産が生み出す収益が実体経済運営による収益率を上回ったりする場合、資金が金融資産に流れます。


2)もし政策金利が極めて低いレベル、例えばゼロ金利に押さえつけられ、かつ実体経済にも良い投資機会を欠けている場合は、政策金利をただで獲得できる機関、ゼロコストで政府から調達した資金を、金利が付く低リスク資産(例:金利が付く預金準備率、国債)に投資し、資金がこういった金融資産に流れます。

※金融商品価格を決める国際基準:10年米国債利回り


リーマンショック直前と直近の実体経済と金融経済規模を見れば、金融経済の規模がいかに大きいか分かります。


(単位:兆ドル)

                         2006年        2017年/2018

世界GDP規模                47           85 (2018年)

世界の株式&債券市場時価総額    119          180 (2017年)

デリバティブ価値                473          54220186月)

実体経済のサポート役のはずの金融経済が、自分自身の規模が既に大きくなりすぎて、逆に実体経済を左右し、世界経済に不安定を与えてしまいます。


<中国経済構造が世界経済へもたらす破滅的な影響:米中循環>


背景:2001年の米中


1980年代後半以降、米国は製造産業を海外への移転と同時に国内で産業革新(新技術革命及び新経済を代表する情報技術産業)に成功。現在の世界産業構造を構築しただけではなく、米国は1990年代に戦後以来最長の経済成長を遂げました。しかし、1990年代末、技術やイノベーション停滞に陥りました。経済健康発展にとって不可欠の駆動力がなくなると、資金が金融経済に追っかけ始めました。その結果、アジア金融危機、インターネットバブル崩壊を招いてしまいました。


2001年2つ主な出来事が、米国と世界の歴史の中でも多大な影響を与えるもので、その後の住宅ローン危機と米国の債務危機に繋がったと言っても過言ではないです。それは、

1)同時多発テロ勃発、

2)中国のWTO加盟

です。


2001年、米国はインターネットバブル崩壊の陰からまだ脱出しなかったのに、9 11 日に同時多発テロが勃発しました。テロを機に、WTO加盟が承認されたとはいえ、対中懸案事項がまだ多いためスタンスが極めて強硬だったブッシュ政権が、テロ対策で対中協調路線を採るようになりました。同じ年の1110に、中国が正式にWTOに加盟しました。


米中循環


テロの後、景気刺激策として、米FRB議長Alan Greenspan氏が低金利の金融政策の採択を決定しました

アメリカン人が低金利で借金でき、消費

中国人・中国国内経済部門が貯蓄、投資、そして巨額な外貨準備(裏づけは外国為替資金残高(外貨買い入れポジション)で、主要構成は、外資系企業の投資資本、国・企業の外貨調達資金です)を形成

中国人が外貨準備で米国国債を購入、資金が米国に逆流

この逆流した資金が米国の不動産と株式価格を押し上げる

資産価格上昇でアメリカ家庭社会財産が膨らむ

アメリカ人が膨らんだ財産を担保にして借金して消費に使い、それが中国製造企業の新規受注、そして中国の貯蓄になります

人類歴史には、これほど高度依頼し合う二つの経済実体はなかったです。この単体国としては不均衡な経済構造は、段階的な極限に至るまでにはには恐ろしい規模までに至りました。


<まとめ>


何故2008年のリーマンショック(住宅ローン危機と米国の債務危機)規模がそれまでの人類の歴史にとって前代未聞のか、下記の3点を見れば理解できると思います。


1、アメリカ人の富(不動産、金融資産)のバブル規模の空前さが生み出した消費需要バブル規模の空前さ。


1)不動産バブル:価格(不動産価格)&数量(居住需要を遙かに超えた不動産建設規模)


2)金融資産バブル:前述の金融経済規模

※当時は中国は人民元両替が不自由(今でも相変わらず自由交換通貨ではないですが)、また中国の金融機関が統合したばかりで大規模な対外投資開始しなかったし、更に中国人が金融商品革新(例:COOなどのデリバティブ商品)にまだ手をつけなかったことが当時の世界にとって幸いなことです。さもなければギャンブル性が高い中国一般人が自由に金融投資ゲームに加えれば、金融バブル規模が更に大きかったに違いないです。しかし不幸なことに、中国一般人がとうとうこの道に歩み、2016年以降は各種前代未聞の金融商品革新に陥りました(後述)。


2、中国が海外需要バブル(アメリカ人の需要バブル)に駆動され、中国国内の需要バブル(かつてない投資・インフラ建設規模)が前代未聞※

※リーマンショック後中国国内のインフラ建設規模がその前の規模を遙かに超えました。


3、石油、原料、半製品輸出を提供する新興国、及びハイエンド部品を提供する先進国(日本、欧州)が国内、海外で前2者の需要バブルに合わせて生産拡大。


この3者間でゲーム・オーバー(バブル崩壊)までには連鎖的な循環していました。


by sari2019 | 2019-08-13 18:34 | Comments(0)